専門家による定期調査で安全な施設管理を
マンション・デパート・ホテル・病院などの
特殊建築物で大きな事故を起こさないために…
「特殊建築物等定期調査」って何?
特定行政庁が指定する特殊建築物の所有者(所有者と管理者が異なる場合は管理者)は、定期的に「調査資格者」による建築物の調査を実施し、その結果について特定行政庁へ報告しなければなりません。
これを「特殊建築物等定期調査」といい、建築基準法第12条第1項に規定されています。
誰が調査をするの?
調査資格者が行います。調査資格者とは、一級建築士・二級建築士取得者の他に、特定の講習を受けて特殊建築物等調査資格者の資格を取得した担当者が該当します。
どの建築物で調査が必要なの?
対象建物は以下のように定められており、大きく
- 公共性が高く、不特定多数が利用する建築物
- 火災発生のおそれが高い建築物
- 衛生管理が求められる建築物
に分けることができます。
主な該当建築物 ※色つきの一段目の建物は毎年報告が必要です |
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劇場・映画館 | 観覧場・集会場 | 旅館・ホテル (一部) | 百貨店 | 地下街 |
病院 | 旅館・ホテル (毎年報告の ものを除く) | 学校・体育館 | 博物館・美術館・ 図書館 | ボーリング場・ 水泳場などの スポーツ練習場 |
下宿・共同住宅 | 遊技場 | 展示場 | 公衆浴場 | 飲食店 |
工場 | 倉庫 | 自動車車庫 | 危険物の貯蔵場 | と畜場 |
火葬場 | 汚物処理場 | - | - | - |
どんな調査をするの?
大きく分けて以下の5項目の調査を行います。
- 敷地及び地盤
地盤、敷地、敷地内通路、塀、擁壁の状況についての調査
- 建築物の外部
基礎、外壁の躯体・外装仕上げ材・サッシの劣化及び損傷の状況についての調査
- 屋上及び屋根
屋上面、屋根の劣化及び損傷の状況についての調査
- 建築物の内部
防火区画、壁、床、天井、防火設備、採光・換気、建築材料の状況についての調査
- 避難施設など
通路、廊下、出入口、バルコニー、階段、排煙設備、その他の設備の状況についての調査
調査・報告をするとどうなるの?
報告まで完了すると、以下の特殊建築物等定期調査の「報告済証」が発行されます(報告から2~3ヶ月後)。ステッカータイプ・たてかけタイプがあり、建物入口など利用者に見やすい位置に掲示することで、建物の安全性を利用者に広く伝えることができます。
サーモグラフィにより的確な外壁診断を行います!
建築・設備点検センターでは通常の外壁診断に加え、ご要望に応じて他社ではあまりされていないサーモグラフィによる診断も行います。 自社内で調査を行いますので、下請けに依頼する業者に比べて中間マージンを省けるため、よりリーズナブルに調査可能です。さらに他の調査と一緒にワンストップで調査できますのでお手間もかけません。 例えばタイルが壁から剥離していると、その間に空気の層ができて、きちんと接着されているタイルに比べて温度が高くなります。 サーモグラフィにて外壁の温度を調べることで、見ただけでは分からない内側の剥離を調査することができます。タイルは一度剥がれ始めると非常にもろいもの。落下して通行人にぶつかると大変なことになります。 確実な調査をお求めの方は、ぜひ、サーモグラフィによる調査が可能な建築・設備点検センターにお声がけください。
制度の目的~たくさんの人が利用する施設だからこそ安全第一を~
この制度の「特殊建築物」に該当するのは、劇場や百貨店、ホテル、病院、店舗、共同住宅、事務所など、不特定多数の人が利用する建築物です。もし、これらの建物に火災や感染などが発生したら……利用者が多いだけに、大きな事故・被害につながりかねません。このため、これら特殊建築物には建築段階から防火区画の設定や避難階段・避難器具の整備などの安全対策が行われます。 しかし、いくら十分な防災設備を整えていても、日頃の維持管理が十分でなければいざというときに本来の機能が発揮できません。そこで、建築物そのものや数々の設備機器が十分に機能するように定期的な調査と保全を行う必要があります。